スギ花粉の時季はようやく終わりになってきましたが、ヒノキ科の花粉はまだ続いています。
ヒノキのアレルギーを持っている方はもう少しつらい時期が続きますが、実はヒノキ科の植物にも育毛剤や化粧品に使われる成分が含まれています。
「ヒノキチオール」と呼ばれる成分になります。
元々は昭和の初めごろ、台湾に生息する“タイワンヒノキ”から初めて抽出されました。
どのヒノキにも含まれているわけではなく、日本にあるヒノキ科の植物のうち、ヒノキチオールが採取できるのは青森にある「青森ヒバ」など、限られた種類だけです。
<ヒノキチオールの有効成分>
●殺菌・抗菌作用
ヒノキチオールの効能として最も注目されているのが抗菌作用です。
防腐剤の役割として化粧品などに利用される場合もあります。
皮膚への浸透作用もたかく、頭皮の雑菌の繁殖を防ぐため、フケやかゆみの防止など頭皮環境を整えるためにも有効な成分ということになります。
●新陳代謝を助ける効果
皮膚の細胞のターンオーバーを正常にし、頭皮自体を健康で若々しい状態に保ちます。
このような効果から、育毛剤や基礎化粧品などの医薬部外品によく使われていますが、平成に入ったあたりから、天然のヒノキチオールは食品にも添加物として利用されるようになりました。
このような利用法で摂取したり頭皮につけたりする場合は、副作用の心配はないと考えて良いものです。
サプリメントなどに含まれる場合もありますが、その場合は容量をきちんと守って飲むようにしましょう。
またヒノキチオールには日やけによるメラニン色素の生成を抑えていく作用もあります。
皮膚のターンオーバーが正常化され、メラニン色素の沈着によるしみやそばかすを防ぐ働きもあります。
もともとメラニン色素は、アミノ酸の一種であるチロシンにチロシナーゼという酵素が合わさって作られますが、ヒノキチオールにはこのチロシナーゼの活性を抑える働きもあります。