顔や身体と同じように、頭にもニキビができるときがあります。
『吹き出物』という場合もありますが、医学的には「尋常性挫創(じんじょうせいざそう)」と呼ばれています。
もともと思春期にできやすいニキビですが、大人になってからも生活習慣や環境が原因でできやすい方はいらっしゃいます。
原因や対策について
<皮膚の常在菌“マラセチア”>
人間の頭皮には常在菌と呼ばれる菌があります。
この中の一つであるマラセチア菌は、皮膚の表面の皮脂分を餌にしています。
皮脂分泌が過剰になると、マラセチアも過剰に増殖し、皮膚を刺激する物質を作り出します。
刺激物質により皮膚が炎症を起こしたり、かゆみ・赤みや引き出物の原因にもなります。
主に脂性の方におこりやすい頭皮トラブルですが、このようにマラセチア菌により炎症が起こった状態を
『脂漏性皮膚炎』と言います。
<毛穴のつまりからニキビ>
人間の顔や頭、特に頭頂部に近いところは皮脂腺が多く存在し、常に脂を分泌しています。
脂っぽいものを多くとりすぎていたり、ビタミン不足になっていたりすると、体内での脂分の代謝がうまくいかず、毛穴に角栓がつまってしまいます。
こうなるとマラセチアと同じ皮膚の常在菌である“アクネ菌”により炎症が起こり、ニキビができやすくなります。
菌の過剰増殖による炎症がニキビにつながっていくんですね。
< 対策 >
ニキビができてしまったら気になってつい手で触ってしまいがちですが、極力刺激しないようにしましょう。
当然手の表面にも常在菌はいますので、手で触ると余計に菌がついてしまう可能性もあります。
対策としては、なるべく地肌にやさしいシャンプーで洗うこと。
脂分が過剰にならないような食生活をする事、寝具(まくら)のカバーなどをまめに洗い清潔に保つことなどです。
皮膚科では、抗生物質やビタミン剤などが処方されます。
この時のビタミン剤は主にビタミンB群の中で脂の代謝に関わるものが入っています。
自分でもなるべく偏らない食生活を心がけることが治りは早くなり、新しいニキビを出来づらくすることにつながります。
人間の身体は足りないものを過剰に分泌しようとします。
毛穴に詰まった皮脂をとろうとするとき、ごそっととりすぎてしまったり、そこまで脂の出ていないところから無理やり取ろうとすると、かえって皮脂分泌のバランスを崩す可能性があります。
シャンプ―剤も洗浄力が強くないもを選び、頭皮や髪の毛に優しいものを選びましょう。