『按摩』と『指圧』について
☆ツボと経絡を刺激する按摩療法
按摩とは、手を使ってツボと経絡を刺激していく手技療法です。
「按」は『おさえる』、「摩」は『なでる』という意味を持っています。
もともとは中国で生まれ、後に日本に伝えられました。
ここから独自の手法が発達し、按摩療法として確立されました。
本来按摩は衣服や布の上から行われます。
体幹(心臓)から手足の末端に向かう遠心性の手技で、“揉み叩く”ことにより体内の「気」の循環を良くし、筋肉の疲労物質を排出しやすくしていきます。
こうすることで疲れや痛みを取り除き、全身の状態が改善されるんですね。
具体的な手技として『揉む』、『押す』、『叩く』、『さする』などの方法がありますが、最もよく使われるのは筋肉をもみほぐす「揉捏(じゅうねつ)」という方法です。
指や手のひらの部分が効果的ですが、ポイントは「押して」、「もみほぐす」こと。
肩や背中、肩甲骨周りはこの方法でじっくりとほぐしていきます。
☆点圧を加える指圧療法
中国で生まれた按摩に対し、指圧は日本で生まれて発達してきた技術です。
やはり衣服の上から行われ、身体の表面の指圧点と呼ばれる場所を押し、内部から症状を緩和していきます。
中心から末端へ向かう遠心性の手技であることは按摩と同じですが、なでたり叩いたりすることはありません。
人間の指先の感覚は、触れることで筋肉の異常を感知することができます。
「診断即治療」と言われ、その場で異常を察知しながら身体の状態を正常に近づけていくことが特徴です。
主に親指が使われますが、片手のどちらかで押したり、両の手の指を重ねて押すこともあります。
頭の指圧でも、身体の中心線を通る督脈などは両手で押す方法がよく使われます。
ちなみに、いわゆる『マッサージ』と呼ばれるものはフランスで生まれました。
オイルやパウダーなどを使い、布の上からではなく肌の上から直接行われます。
遠心性の按摩や指圧に対し、身体の末端から中心に向かう“求心性”であることも特徴ですが、
主にリンパの流れを良くしていくことが目的とされています。
按摩も指圧もマッサージの一種として浸透していますが、それぞれに由来があり、生まれた場所も違うんですね。
リッツのマッサージは、これらの技術がすべて盛り込まれています。